TADプリアンプC-1000について
これまで、我が家のシステムはTADのEvolution seriesのワンブランドシステムで、シスコンみたいなものだった。
「令和のPrivate」なわけだ。まあ、Private=パイオニア=TADの連想が効く世代は、若くとも50代でしょう。40代だと厳しいか?
イギリスだとシステム系オーディオは結構あるものの、わが国ではあまり流行らない。
日本のオーディオメーカーも総合メーカーが多かったので、同じような提案をしたものの、シスコンみたいということで流行らなかったように見える。
雑誌のコンテンツとしての組み合わせが重きを置いていたし、組み合わせることがハンドリング感覚を生んでいたということもある。
こういう安易な組み合わせ論が、使いこなしの深度化につながらず、オーディオが衰退した原因の一つかなと思う。
使いこなしも単なる商品としてのアクセサリー交換にかすめ取られてしまった感じにも見える。
なお、昔のミニコンポについては良く解説されているページがあるので紹介したい。
さて、前振りはここまで。
これまでプリアンプがラインナップされていなかった、同社のEvolution seriesに、なぜかプリアンプが出てきた。
発売が単に遅かったのか、要望が強く、後から企画されたものか知らないが、とにかく出てきた。
貸し出し試聴をしてみた。
何となく量産機とほぼ同じだが、量産機ではない個体の感じがするものだったが、デザインを見ると、パワーアンプと同じ箱にボリュームを付けた感じで、あまりあか抜けない感じだ。ボタン類はCDPのそれと同じ感じ。
昨今の急激なインフレに対応しつつ、同シリーズのデザインフォーマットに沿う感じでまとめたのだろう。
ウォームアップの後、鳴らす。
当然ながら、とてもまとまりの良い音だ。足りなかったものを補う感じである。
中低域の支えがうれしい。
以前も書いたが、バロック音楽などでちょっと薄く、エッジが鋭い局面が出ることもあるのだが、そのあたりが落ち着いた。パワーがM1000なので相性が良いのは当然。
いかにもプリアンプを加えましたという感じの力感を加え過ぎず、システムの基本的バランスを変えない。
レンジとしては十分伸びているが、低域端まで伸ばし切っている感じではない。この辺りは少し割り切った感じ。その方がまとめやすいでしょう。
同社製品なので、ちょっとそっけないモノトーンな感じのニュートラル感はある。
中高域方向についても、繊細感を強調する感じでもない。腺病質な感じを付加していかにもハイエンドしていますという感じもない。
定位は位置と大きさも安定している。
プリアンプがラインナップされていない、現代の業務系パワーアンプに合わせてみるのも面白そうだ。
プリアンプのネガティブな部分を潰しながら、あまりプリアンプの挿入感を強調しないようにバランスをとった感じである。
早速、購入した。付属の電源ケーブルはパワーアンプのM1000とは少し異なる。ほんのわずか太く、柔軟性がある。M1000の付属ケーブルは被服が固いのですね。
一日数時間の使用で、2週間も経過すれば、エージング的には問題がないように思う。リモコンでの使用がほとんどだが、ボリュームの部のタッチはトルクについて考えられている印象。
試聴機よりすっきりしてクリーンな気もしなくもないが、気のせいかも。
それ以外は同じ印象である。深情けのような雰囲気を付加することもなく、反応も応答が良いが、わかりやすいスピード感的な脚色もない。
低域端は少し割り切っている感じも試聴機と同じように思える。
我が家の場合同一ブランドの同一グレードの製品で組み合わされているので、あっけないほど、普通に違和感がなく、密度間の薄い部分や落ち着かない部分が補強された感じで、感想を述べにくい感じだ。満足はしているが、特に印象に残る部分もなく、さらっと聴けてしまう。それでよいのでしょう。